行雲流水

気ままに撮影をしています。

相棒 大和 episode1

                         
                                      この物語は事実に基づく「フィクション」である。

            

             相棒 大和   episode1





 猟師の朝は早い! 日の出と共に猟場へつくように 家を出る。

「早起きは3文の徳」と昔から言ったように 朝早く猟場へ着くと、獲物の歩いた後が
未だ乾いていないので分かりやすく、獲物の臭いが新しいので捜索しやすい。

又、時には猪や鹿にバッタリ出会ったりする と 言うラッキーな事もある。

 昔、猟に行く前日は子供の頃、遠足に行く前日の様なウキウキ間が有り
中々寝付けなかったが、
かれこれ30年も狩猟を続けているとそのような感覚は、今は無い。

ただ黙々と前日に必要最小限の荷物をリックサックに積め、事前に準備を行う。
これは30分長く寝る為だ


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 寝室にはセミダブルベッドが2つとシングルベッドがある。
妻と私はセミダブル、ブリスと大和がシングルを使う予定だったが、

実際は私のセミダブルにブリスと大和、私が寝ている状態で、
私は隅に追いやられ毎日落ちそうになりながら寝ている。

午前6時20分目覚まし時計の音で目が覚める。ベッドで一緒に寝ていたブリス、
大和も目が覚める。

 小声で「一寸だけ行こか?」と言うと、ブリスと大和にとって
その言葉は、「山へ仕事に行くんだ」と理解し、顔をペロペロと舐めにくる。

犬と一緒に寝起きする生活をしていると、犬に向かって話しをしている会話の殆どは
理解しているように感じる。

段々と人間化してきたな~と思う。

 
ブリスは昨年12月31日で引退した為、妻にまかせ 
大和と一緒に車に乗り込む。

 当分の間 イノシシ、鹿狩に行く相棒は 大和 だけだ!

大和は四天王のうちの一つ「持国天」のような 迫力を持つ。

体重65Kg

その顔は人間の顔より大きく 前足は人間の手より大きい。
まるでグレートデンのような 大きさだ。

ドーベルマンの大きさを 遥かに超えている。

その大きさは 他を圧倒する!

それでいて動きは素早い。 
軽く2~3mは飛び 崖の上り下りも ピョンピョンとやってしまう。

全身バネの塊のような 筋肉である。

その牙にかかると、ものの数秒で相手は 戦闘不能に陥る程アゴの力は強力だ!
大和の武器は牙だけでは無い。

前足で相手を抱きかかえ、その力で倒してしまう。

まるでライオンが戦っているようである。

命を賭けた闘いの場に、その身を置き、勝利しているので、
全身から出るオーラは自信に満ち他の犬が出すオーラと又、違った威圧感がある。



003-02.jpg


幼い時から猟犬の訓練を受けてきた為、車に乗り込んでも 何1つ声を発しない。
そんな相棒を車に乗せ一路今日の目的地に向かう!
 
自宅を出てから目的地までは約20分。
信号機は1個だけだ!

車に乗って5分。
いつもの自動販売機で、いつものホットコーヒーを買う。 
120円投入すると プルプルプルと当たりのマークが回る。

これで今日の運勢を占う習慣がある。

    ラッキー 当たったゾ! 

それじゃ コーンスープにと、ニコニコ笑顔で ボタンを押す。

「何か新年早々縁起が良いや!なあ大和」と相棒に話かける。
大和は尻尾を振って 喜びを表わしている。


10分程走ると林道に入った。

安全に猟を行い、長く猟を続けて行く為に、私には決まり事が有る。

その1、1日1頭。
    朝1番に獲ったとしてもその日は終わり。必要以上の猟はしない。

その2、昼前には自宅に帰る。
    たとえ獲れなくても、次回があるので体力が有るうちに帰る。

その3、背中を向けて逃げる獲物には矢を放たない。 
    獲物にも逃げるチャンスを与える。

この3点を守る事で今まで無事故、無怪我でやって来られたと思う。

それと、日々のトレーニングも欠かさない。
自宅の離れにトレーニング部屋があり、そこでトレーニングを行っている。

 自分の体重をベンチプレスで10回挙げ、マックス100Kgを持ち上げられる
肉体は50歳に成っても若い頃の筋力を保っている。

トレーニングは大きな筋肉から鍛える。

最初は、胸の筋肉。ベンチプレスで5セット。
マックスを3セット目に持っていくピラミット方式だ。

1セットは慣らし。50Kgをゆっくりと息を吐きながら15回挙げる。
この時のポイントは腹式呼吸。大きく息を吸って力を入れる時にお腹からゆっくりと息を吐き出す。

2セットは70Kgを10回挙げる。序々に身体が温まり筋肉がほぐれた状態で
3セット目に突入100Kgを6回挙げる。

胸の筋肉が充血し全身から汗が吹き出し、呼吸が乱れる。 
空手の呼吸法である息吹を数セット行うと序々に呼吸が落ち着いてくる。

4セットは60Kgを12回。最後1回を挙げる時筋肉がプルプルと震える程だ。
5セットはクールダウン50Kgをゆっくりと20回。
これも厳しい。この5セットを終えると胸の筋肉の疲労感で疲れが出てくる。

少し休憩を行い次にスクワットを行う。
スクワット台にはシャフトの両端に40Kgずつ嵌め込まれている。

シャフトの重量10Kgを加えると90Kgになる。
これを、15回バーベルを背負い、深く尻を落としてしゃがみ込む。

立ち上がる時に顎を突き出し立ち上がるのがポイントだ。
2セットから5セットは120Kgの重量で其々10回を4セット行う。

つづいて、90Kgにして、ふくらはぎの筋肉を鍛える。
同じくバーベルを背負い爪先立ちをして踵を出来るだけ挙げる。これを3セット10回行う。

全身から汗が滝のように流れ、下半身の筋肉はプルプルと痙攣する。
下半身の痙攣が収まると最後はダンベルカールを行う。



003-03-2.jpg



今日の日の出は7時03分
 
まだ日の出まで10分は余裕が有るので林道をゆっくりと走りながら
野手道(獣が通る道=獣道)をチェックする。

 暫く林道を走ると 右の斜面が崩れ、道に小石がポロポロと落ちているのを見つける。
車を止め小石を退け、その斜面を見ると鹿の足跡を発見。

     鹿の群れが通った後だ! 土が未だ乾いていない。
それに、鹿の糞も周りに落ちている。

「はは~ん ここを登って行ったんだな! 
        と 言う事は 獲物はこの上に有る雑木林の中に居るはずだ。」

今日の猟場は、ここに決まった。

 この様に毎回何処で猟をするか決めていない。
大体の場所を決めて行くが、毎回野手道を見たり、
新しい跡を探したりして猟をする場所を決めている。

今回は早く決まった。
これも自動販売機の当たりのお陰か?

車に戻ると大和は、高鼻をして獲物の臭いを獲っている。
この辺りは良く来る場所なので、大和も勝手が分かっているハズ。
 
車を少し走らせて奥の広場に車を停めて置く。

 単独猟の為、持ち物は必要最小限だ。
必ず持って良く物は、ロープ・ナイフ・ビニール袋・血止め・消毒・包帯・
ライター・非常食などリックサックに入っている。

それに、ライフル銃。
この銃は308口径のレミントンM700の機関部にチュンナップした
ハート社製の銃身20インチに、ツイスト11のタイトネック特別仕様だ。

ボルトはレミントンの欠陥である溶接の弱さを補強すべく特別なネジで止めている。
万が一、引き金を引いてボルトが動かなくなった場合でも、
ボルトを上げる為にハンマーで叩いてもポロリと取れる事は無い。
003-04-2.jpg


引き金はジュエルの2ステージ。

銃身は私の身体に合わして栃の木を削りだしたワンオフ。

スコープはリューボルド社製の2.5倍から10倍
レクチルはミルドットのタクチカルスコープだ。
このスコープは今輸入が出来ない。


この銃を使ってもう20年近い。
コツコツと改良を重ね今日まで至った。


003-04.jpg



この銃は私の身体の一部であると言っても過言ではない。
 それらを持って車を降り、大和と共に山の中へ入っていく。

猟師それぞれ猟の方法は違う。
私の場合は単独猟なので獲物を獲った後の事を考え、
山を登って上から下の方向に狩を行う。

そして、帰り道は獲物を持って下る。と言う方法をとっているが、
相手が居る事なので毎回そのようにはいかない。

吐く息は白く、地面には雪が少し残っている。太陽は出てきたが、
辺りは未だ薄暗く サクサクと落ち葉を踏む音だけが聞こえる。

大和は私の少し前を歩き、気配を探りながら軽快に リズム良く歩いている。

その自信に満ちた強い オーラを感じると、
良くここまで成長したな~と、昔の事を思い出した。



003-05.jpg


つづく 




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  1. 2013/01/13(日) 00:00:00|
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